女・挑戦・50代 

うつ、乳がんを乗り越えた。さて、人生後半戦を豊かに生きるために何しましょう?な毎日

脳は老いても進化する!?大人の読書感想文

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バンコク在住のアラフィフ・HiddenLilyです。


先日 成熟脳-脳の本番は56歳から始まる- 黒川伊保子著 を読んだ。

 

男女間の考え方、行動の違いや老いに関する話題を

脳科学者である著者の目を通して解説しているエッセイ。

 

所々裏付けとなる科学の話は時に理解が難しいが、自身の日常生活や

体験、感じたことを短いエピソードと共に語られた。 

著者の軽快な語り口は読みやすく、かつなかなか興味深く、面白かった。 

 

世間一般には老いについてのイメージはあまりいいものではなく、

介護か年金問題、老後と暗い話と、関連する話題と言えば

それに向けた対策がほとんどだ。 

 

これから老後をどう生きるか、そのために今やっておくこと、なんて、

今のままではダメだ、今からなんとかしないと、という焦りを生み出すばかり。

 

でも、そんな世間の話はどこ吹く風。 

この本では、物忘れとは脳が進化するためにいらない情報を

捨てているといい、逆に覚えようとして何度も同じことを

初めてのように体験できることを「楽しめる」と

あくまでポジティブだ。

 

そして、脳は老いても進化を続けていて、80歳以降も新しい進化が訪れるともいう。

それは、日常の何気ない自然を愛でる感覚を更に研ぎ澄まし、

幸福感をもたらしてくれるのだと。

 

なんという進化だろうか。 想像するとワクワクする。

80歳の自分を想像して、ワクワクしたことがあっただろうか。

 

驚いたのはこの話は、100歳を超えた人達が幸福感を感じるという研究に

通じるものがあったことだ。 その研究についての記事では、

100歳を超えた百寿者が幸福を感じる要因を様々挙げていたが、

脳の進化からも来ていたのかもしれない。

 

脳からの幸福感だけで、もちろん介護や年金の問題は解決しないが、

もしかすると、今皆が思っているよりも実際には

ずっと幸福な老後を迎えることが出来るのかもしれない。と

読んだあと少しポジティブな気持ちにさせられた。

  

その他、男女間の違いや賢い人がどう他の人と接するのが

いいかというようなテーマについても語られていた。 

 

どの話も、著者の視点は新鮮で、読んでいてとても楽しい一冊だった。